※2022年9月22日。戦法を大幅アップデートしてより強力になりました。高段者にも通用します。
今回は、端飛車戦法を紹介しよう!
端飛車?一間飛車のこと?
端飛車は、一間飛車と九間飛車の総称じゃ。
従来の指し方とは全く違う新しい戦法なんじゃ。
このページは、以下の構成で書いていきます。
端飛車戦法とは?
端飛車戦法は、ラー流戦法第3の戦法です。
この戦法は、今までありそうでなかった戦法です。
はじめに、この戦法が生まれた経緯を少しお話します。
飛車を振る位置によって戦型が変わりますよね?
2筋から攻める居飛車、3筋から攻める袖飛車、4筋から攻める右四間飛車、5筋から攻める中飛車、6筋から攻める四間飛車、7筋から攻める三間飛車、8筋から攻める向かい飛車があります。
なぜ、ここまできて1筋と9筋から攻める戦型が無いのか?ということを考えたわけです。
確かに下段に香車がいて攻めにくそうです。
でも、本当に無理なのか?という話です。
一間飛車という戦法は、あるのですが、従来の戦法は1筋から攻めるのではなく、はじめに端歩を1五まで伸ばして、穴熊やアヒルに組み、それから石田流三間飛車に振りなおす(ひねり飛車)というものでした。
端飛車戦法は、三間など違う筋に振りなおすのではなく、そのまま1筋から攻め潰してしまおう!という戦法です。
指しこなす難易度は、玉金戦法、チクビーム戦法などの最高峰の戦法と比べるとずっと簡単です。
さらに、端飛車戦法は、速攻を除けば、相手の戦型に関わらず、使うことができます。
それでいて、破壊力抜群です。
それでは、端飛車戦法を解説していきます。
対象読者は、宇宙将棋連盟の初段~五段です。
端飛車戦法は、玉金戦法やチクビーム戦法と違ってワシ以外も指しこなせる分かりやすい戦法じゃ。
狙い筋と指しこなすコツ
まず、基本形から見ていこう。
対居飛車戦の基本形
対振り飛車戦の基本形
今までの玉金戦法やチクビーム戦法に比べると大分見慣れた形だな!
てかこれ王道戦法じゃん!?
えー?その戦法って地球界にないの!?
玉金戦法やチクビーム戦法は、確かに宇宙最先端の研究だから仕方ないけど…
リーの言うように宇宙では、地球界の将棋研究が遅れていることで話題になっています。
それがないんじゃ。ワシもたまげた。地球人に教えねばならぬ。
それでは、端飛車のポイントと攻め筋を解説するぞい。
ポイント1
初手は、端歩で様子見
相手が居飛車でくるのか振り飛車でくるのかわからないので、最初は形を決めずに端歩で様子を見ます。
初手1八飛としてすぐに攻めたいところだけど、ギリギリまで作戦を見せない方がいい結果に繋がるよ!
ポイント2
序盤の角交換は、避ける
相手陣に余程の隙があったりしない限り、序盤で角交換はしないようにしましょう。
なぜなら、端飛車陣形は、端に偏っていて中央が弱く、角打ちの隙が多いためです。
ポイント3
対居飛車戦では雁木、対振り飛車戦では左美濃が有力
先程言ったように、端飛車陣形は、中央が弱いです。
そのため、矢倉囲いなど左辺に偏った囲いにすると、相手が中飛車に振り直してきたとき、中央突破されてしまいます。
また、角打ちの隙もできやすいです。(下図参照)
これだと、▲4八飛と回って受けるしかなく、相手に銀が入ったら△3九銀と打たれて端飛車陣は崩壊します。
5筋に駒の利いている雁木や左美濃にしておけば、2八飛で角を殺せます。
また、対居飛車で左美濃をやると、飛車先交換から5六歩が取られてしまうので、居飛車戦では雁木が有力に、対振り飛車戦は、横から攻めてくるため、左美濃が有力になります。
ポイント4
角筋を避ける
角筋にいると技がかかりやすくなってしまうので、角筋は避けるのがコツです。
ポイント5
角道を開けた居飛車速攻への対処
(端飛車に組めないケース居飛車編)
角道を開けて居飛車で速攻されると端飛車陣形に組めないのです。
その時の対処法を解説します。
基本的には、初期局面から、▲1六歩△3四歩▲3六歩△8四歩▲7八金△8五歩▲3八飛と袖飛車で対処します。
【解説】
3手目の▲3六歩は、次に△3五歩と突かれて石田流にされると端飛車陣形に組めなくなるのでそれを消した手です。対して△5五角には、▲7六歩として十分です。
以下、△2八角成には▲同銀で、「序盤は飛車より角」なので先手よしです。
最善は△8八角成ですが、▲同銀で角換わり形の将棋になり、仕切り直しになります。
▲3六歩を付いているので流れ的には袖飛車が一番自然かもしれません(下図参照)。
もう端飛車にはできなくなってしまいましたが、局面は互角です。
次に4手目△8四歩に対しては、端飛車の含みも残して基本的に▲7八金の一手です。
ここで、▲4八銀などをすると△8五歩と突かれ、そこで慌てて▲7八金としても、飛車先交換されて▲3六歩が取られてしまいます。(下図参照)
上図の局面は互角(若干後手良し)ですが、端飛車もできないうえ、▲3七銀からの居飛車にするしか手段がほぼなく、先手が面白くないです。
次に6手目▲8五歩には、次の飛車先交換からの3六歩の掠め取りを防ぐ▲3八飛の袖飛車にして一局です。(下図参照)
このパターンが端飛車にできない後手の指し方となります。
端飛車封じだね。
残念ながら毎回端飛車にできるわけじゃないんじゃ。
ただ、引き出しとして持っておくと意表をつけるぞい。
ポイント6
一直線振り飛車への対処
(端飛車に組めないケース振り飛車編)
向かい飛車編
初期局面から、▲1六歩△3四歩▲3六歩△3三角▲4八銀△2二飛▲3七銀△2四歩となると、端飛車陣形に組めません。(下図参照)
以下▲2六銀には、△2五歩で間に合いません。こうなったら、諦めて普通の戦法をしましょう。
三間飛車編
初期局面から、▲1六歩△3四歩▲3六歩△3二飛ときたら、▲3八飛から、袖飛車急戦を狙いましょう。
無理に組むと下図のような桂頭攻めで困ります。
また、▲4八銀も飛車先交換から△5五角で面倒です。(下図参照)
四間飛車編
初期局面から、▲1六歩△3四歩▲3六歩△4四歩▲4八銀△4二飛▲3七銀△4五歩▲5八金△6二玉▲7八銀△7二玉▲5六歩△8二玉▲7九角でいけそうですが、△1三角の端角が厄介です。
そこで、
初期局面から、▲1六歩△3四歩▲3六歩△4四歩▲4八銀△4二飛▲3七銀△4五歩▲5八金△6二玉に▲2六銀とあがり、後手が飛車先交換して、そこから袖飛車にするのが有力です。
中飛車編
▲1六歩△5四歩▲3六歩△3四歩▲4八銀△5五歩にも端飛車陣形に組めません。
以下▲3七銀には、飛車先交換されて端飛車はできなくなります。
仕方なく▲6八玉や▲3八飛として普通の将棋になります。
つまり、端飛車戦法は、速攻タイプの相手には無理な戦法ということです。
端飛車ができるのは、ある程度囲ってくれる相手限定となります。
ただ、速攻タイプでない相手には、ほぼ組めるので十分有用性はあります。
端飛車に固執しないのがポイントだね!
ポイント7
9筋から攻めることもできる
このように九間飛車で攻めることもできます。
ただ、どの戦型が相手でも一間飛車で互角に戦うこともできるので、基本は一間飛車で大丈夫です。
九間飛車が有力になる場合は、角道を開けてこない振り飛車に対してです。
振り飛車の玉は、一間飛車の真反対にあるのでとても遠いです。
そこで、九間飛車にすることで、一気に玉側を攻めることができるので有力な作戦となります。
序盤から振り飛車で攻めずに一直線で囲ってくる相手に対しては、非常に有力だと思います。
ポイント8
スーパー端飛車
スーパー端飛車というのは、1七香1八飛(9七香9八飛)型の端飛車のことです。
組むのに手数がかかって少し大変ですが、組めたらかなり有利に戦えます。
特に、守りを固めて1筋を全く付いてこない相手に対して、スーパー端飛車は非常に有力です。
飛角銀桂香の5つの攻めで、相手陣の端は崩壊必死です。(下図参照)
ポイントは、以上の8つじゃ。
次に、攻め筋を解説するぞい。
↑基本図
攻め筋1
端飛車棒銀
基本図から、▲1五歩△同歩▲同銀として端を食い破ります。
これが、最も基本的な攻め筋です。
銀香交換の駒損ですが、香車を使って端破りは、ほぼ必死となります。
攻め筋2
端攻め
基本図から、▲6八角と引き角にして、▲3五歩△同歩▲同角として一歩を得ます。次に▲1五歩△同歩▲1四歩と垂らして、△同香なら▲2五銀として香車を取りにいく指し方もあります。
この端攻めが狙える時は、積極的に狙いましょう!
ただし、注意点が2つあります。
1つ目は、桂頭を攻める△3六歩が生じるので桂馬の逃げ道があるか確認すること。
2つ目は、四段目に飛車がいると成立しないということです。
攻め筋3
チクビーム
3筋の歩を交換したあと、右桂を跳ねてチクビームの狙いもあります。
チクビームが炸裂しそうなら積極的に狙いましょう。
攻め筋4
角をそらす機敏な桂跳ねから袖飛車
以下△2四角や△4四角には、▲3八飛から袖飛車にするのが有力です。(下図参照)
その他の場所に逃げたら▲6八角と引き角にして桂頭を守り、それから▲1五歩の端攻めを見て先手良しです。(下図参照)
攻め筋は、こんなもんじゃ。簡単じゃろ。
端飛車の解説は、以上じゃ。
端飛車は、みんな対策とかしてないから勝率アップを狙えるぞい。
ラー、これ地球人の基本戦型が増えた歴史的な記事になったね!
玉金戦法やチクビーム戦法は、私には難しそうでしたが端飛車なら指せそうです。
ラー先生、これは、地球界の歴史に名を刻めますよ!
この戦法に嬉野流を掛け合わせた嬉野端飛車はさらに指しやすく有力なので、ぜひこちらも読んでみてください!
コメント