今回は、嬉野端飛車戦法を紹介しよう!
また端飛車!?
そうじゃ。
だが、今回紹介するのは、前回紹介したものより優秀で指しやすいぞ。
このページは、以下の構成で書いていきます。
因みに前回の端飛車の記事は、こちらです。
攻め筋などは今回のものと同じなので、こちらを参考にしてみてください!
嬉野端飛車戦法とは?
嬉野端飛車戦法は、ラー流戦法第7の戦法です。
皆さんは、以前紹介した端飛車戦法を覚えているでしょうか?
端から攻める斬新な戦法でTwitterなどでも話題になった戦法です。
しかし、以前紹介した端飛車には大きな欠点がありました。
その欠点というのは、速攻に弱く毎回使えないというものです。
挙句の果てには、速攻してきたら袖飛車でいこうとか、角換わりでいこうとかオールラウンダーの人以外には、使えない戦法になってしまいました。
(決して以前の戦法が使えないわけではありません。)
ただ、今回紹介する嬉野端飛車戦法は、なんと速攻にも対応でき、ほぼ毎回使うことができます。
使えないのは、一直線で向かい飛車できたときと石田流にされたとき、△3五歩をついてくる居飛車(滅多にない)だけという驚異の対応力です。
私の実戦でも使ってみましたが、滅茶苦茶使えます。
しかも、指しこなす難易度は前回の端飛車よりずっと簡単です。
何をしたらそんな劇的に変わったんだと思われたかもしれませんが、ただ従来の端飛車に嬉野流を混ぜただけです。
この戦法は、本気で升田幸三賞が取れると思っています(笑)
自信作です(笑)
端飛車党が生まれる日も近いかも!?(笑)
それでは、嬉野端飛車戦法を解説していきます。
対象読者は、宇宙将棋連盟の2級~五段で嬉野流をある程度知っている方です。
狙い筋と指しこなすコツ
まず、基本形からみていこう。
なんと、居飛車も振り飛車もこれ一本でいけます。
スーパー端飛車も勿論できます。
これは流石に簡単過ぎ!!!
以前の端飛車の複雑さは、なんだったのかって感じですよね(笑)
では、ポイントを見ていこう。
ポイント1
初手▲6八銀
嬉野流と混ぜているので、当然初手は▲6八銀から始まります。
相手に「あ~嬉野流か~」と思わせるといいです。
真の狙いは端飛車です。
嬉野流でわからないことがあれば、「終盤の鬼」と言われている下の人に聞いてみてください!(笑)
端飛車は、ワシに聞いてくれ。
ポイント2
嬉野端飛車の駒組みと戦い方
まずは、上のように、早めに5三銀型にします。
左辺の嬉野流の基本骨格を作ります。
居飛車なので、△3五歩と突かれることは無いと思いますが一応▲3六歩と突いて端飛車にできるようにしておきます。(あまりないと思いますが、△3五歩と突かれたら通常の嬉野流にしましょう。)
対振り飛車も5三銀型の嬉野流ができたら、なるべく早く▲3六歩を突きましょう。
ただ、早く突きすぎると相手の攻めに逆用されたりするので、左辺の嬉野流の陣形ができてからタイミングを見て突きます。
以下、右辺の端飛車陣を組みます。
スーパー端飛車も有力です。
▲6九玉と寄って、▲6六銀と出て角筋を通します。
飛角銀桂香の攻めをみた理想的な陣形になりました。
次に▲1五歩から開戦すれば端飛車ができます。
具体的な攻め筋は、前回の記事を参考にしてみてください。
ポイント3
石田流と一直線向かい飛車への対応
石田流や一直線向かい飛車できた相手には、普通の嬉野流でいけば良いです。
従来の端飛車のように、速攻されると慣れない形で戦わなければならないということもありません。
ポイント4
嬉野端飛車が作戦負けになってしまうケース
物理的に嬉野端飛車の陣形に組めても相手の戦型によっては、作戦負けとなってしまう場合があります。
以下が作戦負けになりやすい相手の戦型です。
- 左側に囲ってくる相手
- 超速攻の相手
矢倉や雁木など、右側にしっかり囲ってくれる相手でないと作戦負けになってしまうことが多いです。
なぜなら、相手玉がいないところで一生懸命戦うことになり、非効率だからです。
あまり囲わずに超速攻攻撃を仕掛けてくる相手にも注意が必要です。
嬉野端飛車は、以前の端飛車より組みやすいとはいえ、一度手がつくと結構脆いです。
この左側に囲ってくる相手と超速攻タイプの相手に対しては、通常の嬉野流でいった方が無難です。
ポイント5
なぜ、嬉野流と端飛車の相性が良かったのか
最後に、この問いに答えたいと思います。
まず、従来の端飛車の弱点は、以下のようなものでした。
- 駒組みに手数がかかり過ぎて速攻に弱い
- 中央(5筋)が弱く受けきれないこともあった
- 対居飛車と対振り飛車で戦い方を大きく変えなければならないうえに、速攻されると全くの別戦型になってしまう
嬉野流と合わせることで、これらの弱点が無くなったのです。
1つ目から話します。
従来の端飛車は、居飛車の時は雁木、振り飛車の時は引き角にして左美濃に組み、さらに端飛車の攻撃態勢も組まなければなりませんでした。
これは結構な手数が必要で、まだ陣形が整っていない時に仕掛けられて陣形が滅茶苦茶になってしまうことも多くありました。
嬉野流と組み合わせることで、かかる手数が減り楽に端飛車の駒組みができるようになりました。
次に、2つ目を話します。
雁木も左美濃も5筋に利きがあると言っても、5筋の受けに適した囲いではないので、真ん中からゴリゴリ攻められると受けきれないことも多くありました。
嬉野流は、左銀を柔軟に使えるので、中央に強くなり陣形が安定しました。
最後に、3つ目を話します。
従来の端飛車は、相手の戦型によって雁木や左美濃にしたりと色々なことに気を付けて駒組みを進める必要がありました。
嬉野端飛車は、相手がどんな戦型できても深いことは考えずに嬉野流の出だしで進めることができます。
相手の動きによって、全く違う戦型になってしまったりすることもありません。
以上のような理由で、嬉野流と端飛車の相性は、最高と言えるのです。
嬉野端飛車戦法は、かなり優秀な戦法であるということを理解して貰えたでしょうか?
嬉野端飛車は、端飛車戦法の決定版かもしれんのぅ。
この戦法は、早指し将棋にもオススメじゃ。
この戦型マジで簡単過ぎない!?
流石、宇宙一のラーだね!
嬉野端飛車は、革命だよ!
歴史に名を残せるんじゃない!?
いやいや、流石にこれは升田幸三賞確定ですね、、、
恐れ入ります。
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