将 棋
第1問 次の将棋に関する文章を読んで後の問い(問1~5)に答えよ。(配点 25)
将棋界には、プロ棋士という将棋のスペシャリストがいる。プロ棋士は、【ア】という場所で【イ】段になることで、晴れてプロ棋士になることができ、年間【ウ】人しか誕生しない職業である。
2023年1月現在、藤井聡太竜王と羽生善治九段が戦っているタイトル戦は、【エ】戦で、羽生善治九段は、タイトル通算100期がかかっている。
最近は、将棋系YouTuberも増えてきている。元祖将棋系YouTuberである【オ】氏の時代が懐かしい。
将棋アプリも多数あり、最大手の将棋ウォーズ、2番手の【カ】は、自動オートマッチングで対局毎に対戦相手を選ばずとも、すぐに対人戦が楽しめる。
将棋の駒にはそれぞれ由来がある。金、銀、玉は、財宝の意味があり、飛車が馬車、角が牛車、桂馬は【キ】、香車は香料が由来となっている。このことから、将棋は元々宝を奪う戦いだったと言われている。
問1 上の文章の【ア】【イ】【ウ】に入る語句の組み合わせとして最も適当なものを、後の①~⑧のうちから一つ選べ。
①【ア】養成会 【イ】三 【ウ】4
②【ア】養成会 【イ】四 【ウ】4
③【ア】養成会 【イ】三 【ウ】5
④【ア】養成会 【イ】四 【ウ】5
⑤【ア】奨励会 【イ】三 【ウ】4
⑥【ア】奨励会 【イ】四 【ウ】4
⑦【ア】奨励会 【イ】三 【ウ】5
⑧【ア】奨励会 【イ】四 【ウ】5
問2 上の文章の【エ】に入る語句として最も適当なものを、後の①~⑤のうちから一つ選べ。
①棋王
②王将
③叡王
④王座
⑤王位
問3 上の文章の【オ】氏の将棋ウォーズのHNとして最も適当なものを、後の①~⑥のうちから一つ選べ。
①chrono
②Chrono
③chrono_tube
④Chrono_tube
⑤chrono_
⑥Chrono_
問4 アプリ【カ】の説明として誤っているものを、後の①~⑥のうちから全て選べ。
①2分切れ負けのプレイヤー数は、5分切れ負けのプレイヤー数より多い。
②HNが緑色なのは、レート1200~1499である。
③初段昇段の条件は、レート1700以上かつ5連勝である。
④友達対局は、友達登録を行った後、互いに合言葉を入力し、持ち時間を選べばすぐに対戦できる。
⑤2023年1月現在、当アプリの有名プレイヤーであるANKOU_ODORIは、2分切れ負けで八段である。
⑥このアプリの製作者は、柳瀬寧である。
問5 上の文章の【キ】に入る語句として適当なものを、後の①~⑤のうちから全て選べ。
①馬
②戦車
③香辛料
④兵士
⑤薬
第2問 将棋の序盤について、後の問い(問1~5)に答えよ。(配点 25)
問1 次の局面の後手の戦法として最も適当なものを、後の①~⑤のうちから一つ選べ。
①鬼殺し
②嬉野流
③パックマン
④都成流
⑤アヒル
問2 ゴキゲン中飛車、角交換四間飛車、石田流三間飛車に対する居飛車の対抗策として適当な組み合わせを、後の①~⑥のうちから一つ選べ。
①ゴキゲン中飛車:地下鉄飛車 角交換四間飛車:棒金 石田流三間飛車:超速
②ゴキゲン中飛車:地下鉄飛車 角交換四間飛車:超速 石田流三間飛車:棒金
③ゴキゲン中飛車:棒金 角交換四間飛車:地下鉄飛車 石田流三間飛車:超速
④ゴキゲン中飛車:棒金 角交換四間飛車:超速 石田流三間飛車:地下鉄飛車
⑤ゴキゲン中飛車:超速 角交換四間飛車:地下鉄飛車 石田流三間飛車:棒金
⑥ゴキゲン中飛車:超速 角交換四間飛車:棒金 石田流三間飛車:地下鉄飛車
問3 四間飛車対居飛車急戦の戦いにおいて、四間飛車側が△3二銀型で保留してきたときに、居飛車が▲3八飛と袖飛車にして戦う戦法は、次のうちどれか。最も適当なものを、後の①~⑥のうちから一つ選べ。
①4五歩早仕掛け
②4六銀右急戦
③4六銀左急戦
④へなちょこ急戦
⑤山田定跡
⑥鷺宮定跡
問4 次の説明として誤っているものを、後の①~⑤のうちから全て選べ。
①「相振り飛車を指しこなす本」の著者は、戸辺誠である。
②ソフト対策として知られる稲庭戦法は、現在の最強ソフト「水匠」には通用しない。
③塚田スペシャルという戦法は、相居飛車の戦法である。
④阪田流向かい飛車は、3三銀型で戦う向かい飛車である。
⑤右四間飛車は、一般的に攻撃的な戦法として知られている。
問5 次の局面は、角換わり4八金2九飛型の同型から、先手が▲4五歩と仕掛け、後手が△同歩と取ってきた局面である。この局面での最善の一手として最も適当なものを、後の①~⑧のうちから一つ選べ。
①▲同桂
②▲同銀
③▲3五歩
④▲1五歩
⑤▲7五歩
⑥▲2四歩
⑦▲7九玉
⑧▲9五歩
第3問 将棋の中盤について、後の問い(問1~5)に答えよ。(配点 25)
問1 次の格言の□に入る語句として最も適当なものを、後の①~⑤のうちから一つ選べ。
金底の歩□より固し
①鉄
②石
③岩
④ダイヤモンド
⑤拳
問2 チョコレート囲いとして最も適当なものを、後の①~⑤のうちから一つ選べ。
①
②
③
④
⑤
問3 次の局面の最善の一手は、▲アイウである。▲アイウをそれぞれ下の選択肢から選べ。
アの選択肢
①1②2③3④4⑤5⑥6⑦7⑧8⑨9
イの選択肢
①一②二③三④四⑤五⑥六⑦七⑧八⑨九
ウの選択肢
①歩②香③桂④銀⑤金⑥金打⑦角⑧飛⑨玉
問4 次の局面で、後手の銀ぶつけを5手一組で咎めることができる。5手一組の最終手は、▲エオカである。エオカをそれぞれ下の選択肢から選べ。
エの選択肢
①1②2③3④4⑤5⑥6⑦7⑧8⑨9
オの選択肢
①一②二③三④四⑤五⑥六⑦七⑧八⑨九
カの選択肢
①歩②香③桂④銀⑤金⑥角⑦飛⑧玉
問5 次の局面での最善の一手として最も適当なものを、後の①~⑤のうちから一つ選べ。
①▲2八銀
②▲6三桂
③▲8三桂
④▲3五角成
⑤▲3五角行
第4問 将棋の終盤について、後の問い(問1~5)に答えよ。(配点 25)
問1 将棋の終盤戦で「□の小部屋」に入ると中々詰まないというのがある。□に入る囲いとして最も適当なものを、後の①~⑤のうちから一つ選べ。
①矢倉
②穴熊
③美濃
④高美濃
⑤銀冠
問2 将棋の終盤の名著として、羽生善治著の「羽生善治の終盤術」があるが、この1巻のタイトル名として最も適当なものを、後の①~⑥のうちから一つ選べ。
①将棋上達法
②基本だけでここまで出来る
③攻めをつなぐ本
④囲いをくずす本
⑤堅さをくずす本
⑥上達するヒント
問3 次の詰将棋の最終手は、▲アイウである。アイウをそれぞれ下の選択肢から選べ。
アの選択肢
①1②2③3④4⑤5⑥6⑦7⑧8⑨9
イの選択肢
①一②二③三④四⑤五⑥六⑦七⑧八⑨九
ウの選択肢
①歩②歩成③と④香⑤香成⑥成香⑦銀⑧銀成⑨成銀⑩金⑪角⑫角成⑬馬⑭飛⑮飛成⑯竜
問4 次の局面の最善の一手は、▲エオカである。エオカをそれぞれ下の選択肢から選べ。
エの選択肢
①1②2③3④4⑤5⑥6⑦7⑧8⑨9
オの選択肢
①一②二③三④四⑤五⑥六⑦七⑧八⑨九
カの選択肢
①銀②銀成③銀打④金⑤金打⑥飛
問5 次の実戦詰将棋の最終手は、▲キクケである。キクケをそれぞれ下の選択肢から選べ。
キの選択肢
①1②2③3④4⑤5⑥6⑦7⑧8⑨9
クの選択肢
①一②二③三④四⑤五⑥六⑦七⑧八⑨九
ケの選択肢
①歩②歩成③と④香⑤香成⑥成香⑦桂⑧桂成⑨成桂⑩銀⑪銀成⑫成銀⑬金⑭角⑮角成⑯馬⑰飛⑱飛成⑲竜
コメント
第2問 問5 角換わり基本図からの△4五歩に対する次の一手について。難問というよりもそもそも問題自体が悪問だと思われるのでそう考える理由を以下に列挙していく。
⑴ そもそも次の一手問題の趣旨とは「明確な好手を発見/検討できるか」であり、どれを指しても1局という様々な有力選択肢の中から最善を指すことではないこと。次の一手問題でよくある形式は最善-次善で評価値に厳然たる差(評価値-500以上など)がある場合が多く、正解肢と不正解肢の異同が可能/容易である。しかし、最善-次善でほぼ差がない場合は正解肢と不正解肢の異同が困難である。今回のように最善-次善で評価値にほぼ差がない局面では、将棋ソフトの探索部や評価関数の更新がある限り、最善手を1つに特定することは実質不可能であり、正解を1つに絞ることができない。よってそもそもの問題設定に不備があると言え、大学入試、中でも万人が受験する共通テストを意識した問題としては悪問と言える。詳しくは⑵を参照されたい。
⑵答えを出す検討に用いている探索部が「やねうら王V6.5」と、かなり古いものであること。(2023/12月段階でやねうら王の最新ver.はV7.63であり、検討に用いているV6.5は2年前2021/9月にリリースされたもの。V6.5→V7.0→V7.5→V7.63と4世代前のものとかなり古いモデルで検討している。)※⑷にも後述する通り、2023/12月段階で最強と言える探索部-評価関数の組み合わせは、NUUE型ならば「やねうら王V7.63-Hao」or 「やねうら王V7.63-w@nder」、DL型ならば「dlshogi」である。前述の通り、最善-次善で評価値にほぼ差がない局面では、将棋ソフトの探索部や評価関数の更新がある限り、最善手を1つに特定することは実質不可能である。そしてかなり古いモデルで「答え」を出している所に真に最善を追求できていない印象を受け、問題の作り込みが甘いと考える。
⑶ノード数が非常に浅い場面で正解を出していること。(将棋ソフトは探索ノード数が多くなればなるほど強くなるのは知られている。※やねうら王開発者磯崎氏によれば、検討時間が2倍になればR200ほど強くなる。)検討画面では約3億3000万ノードと表示されているがこれでは検討が非常に浅い。最低でも2桁億ノード、50億ノード程度は読ませたいところだ。⑸で後述する通り、そもそも50億ノード付近まで読むにはパソコンのマシンスペックがある程度なければそこまで探索できない。※プロ6.55段表示も甘い。今まで確認できた中での最高表示はプロ12.00段程度。まだまだ探索できるはずだ。
⑷水匠5よりも強い評価関数の存在。(水匠開発者たややん氏によると2023/12月現在、NUUE型の中での比較でも今や水匠5よりHao、w@nder、blossom等の方が強いとのこと。また、繰り返しになるが最善-次善で評価値にほぼ差がない局面では使用するソフトによっても、探索部や評価関数がアップデートされる度に最善/次善は変わるのでそもそも正解など出すことができない。)
⑸パソコンのマシンスペックが脆弱であること。将棋ソフトの検討にはマシンスペックも非常に大きな要素になるが、中でもコア数/スレッド数が重要である。検討場面を見てみると4コアと記載があり、おそらくスレッド数はその2倍の8スレッドであるが、そのような廉価なノートパソコンレベルのスペックで正解を出しているのは解説としては腑に落ちない。ちなみに、私自身が所有しているパソコンも所詮家庭用でとてもしょぼいのだが、それでもAMD Ryzen7 5880Hは8コア16スレッドと解説使用の4コアの2倍ある。NPSも8000~10000knと高速である。「厳然たる答え」を出すなら、もっとマシなスペックのマシンで「答え」を出してくれ、というのが本音である…。
以上5点からそもそもの問題設定、それに関する解説、その導き方に不備があり、難問ではなく悪問であると個人的には考える。もしこれらに反論があればぜひお聞かせいただきたい。
第2問 問5について。
難問というよりそもそも問題自体が悪問だと思われるのでそう考える理由を以下に列挙していく。
⑴ そもそも次の一手問題の趣旨とは「明確な好手を発見/検討できるか」であり、どれを指しても1局という様々な有力選択肢の中から最善を指すことではないこと。次の一手問題でよくある形式は最善-次善で評価値に厳然たる差(評価値-500以上など)がある場合が多く、正解肢と不正解肢の異同が可能/容易である。しかし、最善-次善でほぼ差がない場合は正解肢と不正解肢の異同が困難である。今回のように最善-次善で評価値にほぼ差がない局面では、将棋ソフトの探索部や評価関数の更新がある限り、最善手を1つに特定することは実質不可能であり、正解を1つに絞ることができない。よってそもそもの問題設定に不備があると言え、大学入試、中でも万人が受験する共通テストを意識した問題としては悪問と言える。詳しくは⑵を参照されたい。
⑵答えを出す検討に用いている探索部が「やねうら王V6.5」と、かなり古いものであること。(2023/12月段階でやねうら王の最新ver.はV7.63であり、検討に用いているV6.5は2年前2021/9月にリリースされたもの。V6.5→V7.0→V7.5→V7.63と4世代前のものとかなり古いモデルで検討している。)※⑷にも後述する通り、2023/12月段階で最強と言える探索部-評価関数の組み合わせは、NUUE型ならば「やねうら王V7.63-Hao」or 「やねうら王V7.63-w@nder」、DL型ならば「dlshogi」である。前述の通り、最善-次善で評価値にほぼ差がない局面では、将棋ソフトの探索部や評価関数の更新がある限り、最善手を1つに特定することは実質不可能である。そしてかなり古いモデルで「答え」を出している所に真に最善を追求できていない印象を受け、問題の作り込みが甘いと考える。
⑶ノード数が非常に浅い場面で正解を出していること。(将棋ソフトは探索ノード数が多くなればなるほど強くなるのは知られている。※やねうら王開発者磯崎氏によれば、検討時間が2倍になればR200ほど強くなる。)検討画面では約3億3000万ノードと表示されているがこれでは検討が非常に浅い。最低でも2桁億ノード、50億ノード程度は読ませたいところだ。⑸で後述する通り、そもそも50億ノード付近まで読むにはパソコンのマシンスペックがある程度なければそこまで探索できない。※プロ6.55段表示も甘い。今まで確認できた中での最高表示はプロ12.00段程度。まだまだ探索できるはずだ。
⑷水匠5よりも強い評価関数の存在。(水匠開発者たややん氏によると2023/12月現在、NUUE型の中での比較でも今や水匠5よりHao、w@nder、blossom等の方が強いとのこと。また、繰り返しになるが最善-次善で評価値にほぼ差がない局面では使用するソフトによっても、探索部や評価関数がアップデートされる度に最善/次善は変わるのでそもそも正解など出すことができない。)
⑸パソコンのマシンスペックが脆弱であること。将棋ソフトの検討にはマシンスペックも非常に大きな要素になるが、中でもコア数/スレッド数が重要である。検討場面を見てみると4コアと記載があり、おそらくスレッド数はその2倍の8スレッドであるが、そのような廉価なノートパソコンレベルのスペックで正解を出しているのは解説としては腑に落ちない。ちなみに、私自身が所有しているパソコンも所詮家庭用でとてもしょぼいのだが、それでもAMD Ryzen7 5880Hは8コア16スレッドと解説使用の4コアの2倍ある。NPSも8000~10000knと高速である。「厳然たる答え」を出すなら、もっとマシなスペックのマシンで「答え」を出してくれ、というのが本音である…。
以上5点からそもそもの問題設定、それに関する解説、その導き方に不備があり、難問ではなく悪問であると個人的には考える。もしこれらに反論があればぜひお聞かせいただきたい。
わざわざソフトで調べていただきありがとうございます。
確かにこの問題は、悪問でしたね。。。
私自身もどの応手でも良いように感じていましたが、難問を作ろうと頑張り過ぎて空回りしてしまいました。
次回作成するときは、答えが明確になるように作成したいと思います。
ご指摘ありがとうございました。