解答
各5点×20
第1問
問1 ⑥
問2 ②
問3 ⑤
問4 ①、③、④、⑥ (完答)
問5 ③、⑤ (完答)
第2問
問1 ③
問2 ⑤
問3 ⑥
問4 ①、④ (完答)
問5 ②
第3問
問1 ③
問2 ①
問3 ア:⑥ イ:② ウ:① (完答)
問4 エ:⑦ オ:⑦ カ:① (完答)
問5 ⑤
第4問
問1 ⑤
問2 ③
問3 ア:② イ:③ ウ:⑦ (完答)
問4 エ:⑥ オ:② カ:⑥ (完答)
問5 キ:② ク:② ケ:⑯ (完答)
問題の難易度目安
A:級位者(1~3級) B:初段~三段 C:四段~七段 D:宇宙人
第一問 BBBCB
第二問 AABBC
第三問 ACABC
第四問 ABABD
問題数
A:6 B:9 C:4 D:1
解説
第1問
問1 将棋界の問題(難易度 B)
この問題は、将棋界のプロ棋士についての問題であった。
プロ棋士になるには、「奨励会」というプロ棋士養成所に入り、そこで「四段」に昇段することで、プロ棋士になることができる。プロ棋士は、年間「4人」しか誕生しない。
よって、答えは⑥である。
奨励会に入れるのは、小学生の時点で最低アマ三~四段必要の天才である。その天才同士の戦いに勝ち抜かなければプロ棋士にはならない。そのうえ、奨励会には、年齢制限もある。このことからプロ棋士になるのは、非常に難関であるということがわかるであろう。
この問題は、将棋界の知識を問う問題じゃった。
観る将、有段者は、落としたくない問題じゃ。
年間4人という知識が欠けてる方が多かったかもしれんのぅ。
問2 時事問題(難易度 B)
藤井聡太竜王と羽生善治九段が戦っているタイトル戦は、「王将戦」である。
よって、答えは②である。
筆者は、初見の世界線だとこの問題は、恥ずかしながら不正解であった。
観る将やニュースをよく見ている人は、正解できたと思われる。
藤井竜王と羽生九段が戦っているということを知っていても、何戦かまで答えられない方が多かったかもしれんのぅ。
問3 YouTube(難易度 B)
【オ】は、「クロノ」である。
クロノ氏の将棋ウォーズのHNは、「chrono_」である。
よって、答えは⑤である。
因みに、選択肢③の「chrono_tube」は、クロノ氏の将棋クエストのHNである。
近年は、プロ棋士がYouTubeを始めたことで見なくなってしまった人もいるかもしれないが、元祖将棋系YouTuberはクロノ氏で間違いないので最近将棋に興味を持った方も知っておきたい。
クロノ氏は有名なので、何年も将棋YouTubeを見ている人は、正解したい問題じゃ。
クロノ氏ということが分かっても中々HNまでわからないという方も多かったかもしれんのぅ。
問4 将棋アプリ(難易度 C)
【カ】は、「将棋クエスト」である。これは将棋を趣味にしている方は、全員が知っておきたい難易度Aの基本問題である。
ただ、この問題は、将棋クエストのかなり細かい知識を聞いており、普段から将棋クエストを愛用しネットなどで周辺知識も抑えていないと答えられない難易度Cのかなり難しい問題である。
以下が問題の選択肢
①2分切れ負けのプレイヤー数は、5分切れ負けのプレイヤー数より多い。
②HNが緑色なのは、レート1200~1499である。
③初段昇段の条件は、レート1700以上かつ5連勝である。
④友達対局は、友達登録を行った後、互いに合言葉を入力し、持ち時間を選べばすぐに対戦できる。
⑤2023年1月現在、当アプリの有名プレイヤーであるANKOU_ODORIは、2分切れ負けで八段である。
⑥このアプリの製作者は、柳瀬寧である。
以下がそれぞれの選択肢の解説
①高段者が2分切れ負けをよくやっているため、感覚的には2分切れ負けをやっている人の方が多そうだが、これは落とし穴でプレイヤー数は5分切れ負けの方が多い。よって、この文章は誤りである。
②HNが緑色なのは、レート1200~1499。これは、正しい。
③初段昇段の条件は、レート1700以上かつ4連勝である。よって、この文章は誤りである。
④将棋クエストは、友達登録機能は存在しない。友達登録が必要なのは将棋ウォーズである。よって、この文章は誤りである。
⑤2023年1月現在、当アプリの有名プレイヤーであるANKOU_ODORIは、2分切れ負けで八段。これは、正しい。
⑥このアプリの製作者は、柳瀬寧ではなく、棚瀬寧である。よって、この文章は誤りである。因みに、この棚瀬氏の将棋クエストのHNは「nase」である。
したがって、誤っているのは、①、③、④、⑥である。
この問題は、有段者間で差をつけるために出題した問題じゃ。
そして、かなりの人が間違えたであろう難問じゃ。
この問題を答えられた方は自慢しても良いぞ。
問5 将棋雑学(難易度 B)
将棋駒の由来の問題である。
以下が将棋駒の由来である。
金、銀、玉:財宝
飛:馬車
角:牛車
桂:桂木、肉桂(にっき)、シナモンというスパイスの一種
香:香木(こうぼく)、香料、心地よい芳香を持つ木、お香
歩:兵士
また、シナモンは、昔は薬としても使用されていた。
よって、答えは③、⑤である。
雑学好きは、正解してライバルに差を付けたい問題じゃ。
第2問
問1 戦法知識(難易度 A)
奇襲戦法に関する基本的な問題である。
▲7六歩に△4四歩と突き、先手に△4四歩を取らせて罠にはめる戦法は、パックマン戦法である。
よって、答えは③の「パックマン」である。
代表的な奇襲戦法の知識を問う基本問題じゃ。
有段者でこの問題を間違えた者はいないと思われる。
級位者の方もこの問題は、正解しておきたい。
問2 戦法知識(難易度 A)
居飛車対振り飛車の王道戦法の基本的な戦法知識問題である。
ゴキゲン中飛車:超速 角交換四間飛車:地下鉄飛車 石田流三間飛車:棒金
の組み合わせが正しい。
よって、答えは⑤である。
この問題も序盤戦法の基礎を問う問題じゃ。
有段者でも普段振り飛車しか指さない方を中心に間違えた方がいるかもしれないが、基本的な知識なので反省してほしい。
級位者の方もこの問題は、正解しておきたい問題じゃ。
問3 戦法知識(難易度 B)
この問題も居飛車対振り飛車(四間飛車)の王道戦法の知識問題であるが、問1、2と比べるとやや内容が高度なものとなっている。
四間飛車対居飛車急戦の戦いにおいて、四間飛車側が△3二銀型で保留してきたときに、居飛車が▲3八飛と袖飛車にして戦う戦法は、鷺宮定跡である。
よって、答えは⑥である。
この問題は、難易度的には、初段~二段の方向けの問題じゃが、高段者であれば全員正解して欲しい。
級位者の方で勘ではなくこの問題に正解した方は、序盤の知識量は、有段者レベルと言えるかもしれない。
問1~3の問題は、いつも嬉野流やアヒル、振り飛車しかしていないという方の中には、地獄を見たという人もいるかもしれない。
問4 戦法、棋書知識(難易度 B)
この問題は、戦法、棋書などを問う序盤の総合問題であった。
以下が問題の選択肢である。
①「相振り飛車を指しこなす本」の著者は、戸辺誠である。
②ソフト対策として知られる稲庭戦法は、現在の最強ソフト「水匠」には通用しない。
③塚田スペシャルという戦法は、相居飛車の戦法である。
④阪田流向かい飛車は、3三銀型で戦う向かい飛車である。
⑤右四間飛車は、一般的に攻撃的な戦法として知られている。
以下がそれぞれの選択肢の解説
①「相振り飛車を指しこなす本」の著者は、藤井猛である。戸部誠は、石田流を指しこなす本(相振り飛車編)である。よって、この文章は誤りである。
②稲庭戦法は、現在の最強ソフト「水匠」には通用しない。これは、正しい。
③塚田スペシャルという戦法は、相掛かりの先手から仕掛ける超急戦なので、相居飛車の戦法である。
④阪田流向かい飛車は、3三銀型ではなく3三金型で戦う向かい飛車である。よって、この文章は誤りである。
⑤右四間飛車は、一般的に攻撃的な戦法である。これは、正しい。
したがって、答えは①、④である。
因みに、筆者は塚田スペシャルという戦法はずっと振り飛車対策の戦法と思っていたので、この問題は、不正解だった。
この問題も、難易度的には、初段~二段の方向けの問題じゃ。
普段頑張って棋書で勉強してる人は、解けたかもしれない。
有段者は、問3、4の少なくともどちらかは正解したいところじゃのぅ。
問5 次の一手(難易度 C)
角換わり4八金2九飛型の問題でよく見る形で一見基本問題のように思われたかもしれない。
だが、この問題、実はかなりの難問である。
選択肢は、▲同桂、▲同銀、▲3五歩、▲1五歩、▲7五歩、▲2四歩、▲7九玉、▲9五歩があるが、明らかな悪手はこの中には存在しない。
右辺で戦っていているので、直接的な後続の有力手がない▲9五歩、▲7九玉がまず候補から消える。
▲3五歩は、△4六歩があり効果が薄いのでこれも消える。
▲7五歩は後の△9二角が厄介である。
▲1五歩、▲2四歩、▲同桂、▲同銀は、本当に一手一手の研究が必要なほど分岐が多く複雑で申し訳ないがここでは解説しきれない。
参考までに下にソフトの読み筋を貼っておくので参考にすると良い。ソフトも最初、同桂とかなり悩んでいた。
答えは、ソフトの言う通り、先攻の利を生かすぶつけが最善である。
筆者も普通に実戦でもここでも同桂として不正解だった。
実はこの問題、「令和版囲いの破り方」の81問にて一手前の局面でなぜか仕掛けの基本問題として出題されている問題である。しかし、厳密に考えるとどこが基本問題なのかわからない。個人的には、かなりの難問と思われたので出題した。このあとの変化についても上記の本に簡単に書いてあるので、気になる方は下にリンク作ったのでどうぞ。この本自体は浅く広く居飛車の最近の戦法の仕掛けを解説した本で、そこまで難しくなく最新戦法のポイントが分かるので個人的には結構おすすめ。
この問題は、勘で正解してしまった方もいるかもしれないが、なぜ同銀が最善手なのか理由までしっかり答えられるという方は、間違いなく実力高段者と言えるじゃろう。
有段者でも、この問題は間違えても仕方がないと言える問題じゃ。
第3問
問1 将棋の格言(難易度 A)
将棋の格言の問題である。
金底の歩「岩」より固し
よって、答えは③である。
金の真下に歩を打つことを金底の歩と言う。
これは、一段飛車などの攻めに有力で歩一枚で絶大な守備力を発揮することから、有名な格言となっている(下図参照)。
この問題は、級位者の方も絶対に正解しておきたい基本的な問題じゃ。
問2 マイナー囲い(難易度 C)
この問題は、マイナー囲いの問題である。
チョコレート囲いは、①である。
因みに、選択肢は全て実在する囲いで、①がチョコレート囲い、②が四段端玉、③がセメント囲い、④がモノレール囲い、⑤が銀象眼である。
豆知識として、知っておくといつか役立つ時がくるかもしれない。
筆者は知らなかったので、この問題は不正解だった。
有段者は勿論、高段者の方でも知らない囲いだったかもしれんのぅ。
これ以外にも色々な囲いがあるから色々調べてみると面白いかもしれぬぞ。
問3 次の一手(難易度 A)
この問題は、基本手筋を問う次の一手問題である。
正解は、▲6二歩(ア:⑥ イ:② ウ:①)である。
▲6二歩以下、△同金には▲2一飛、△同玉には▲2二飛で、いずれも王手角取りの十字飛車がある。
比較的易しめの次の一手問題じゃから、級位者の方も正解したい問題じゃのぅ。
問4 手筋の最終手(難易度 B)
▲7六歩△同銀▲6六角△7二飛▲7七歩の5手一組で、銀を殺すことができる。
よって、答えは▲7七歩(エ:⑦ オ:⑦ カ:①)である。
実は、第3問の問3と問4は序中盤の手筋436の第67問と第263問を改良した問題である。
解けなかったという方は、下にリンク貼っておく。中盤で指し手に困るという方におすすめの本だ。
有段者は、正解したい問題かのぅ。
問5 次の一手(難易度 C)
この問題は、ネット検索で出てきたプロも悩んだという超難問次の一手問題である。
解説は、下記サイトを見て欲しい。
筆者は、解説を読んでもしっくり来なかった。。。
この問題は、超難問じゃ。
六~七段クラスの問題じゃろう。
第4問
問1 終盤戦の知識(難易度 A)
終盤戦において、銀冠の小部屋(△1三玉、△9三玉)は、中々詰まないことで有名である(下図参照)。
よって、答えは⑤である。
これは級位者の方も正解したい基本的な問題じゃ。
問2 終盤の棋書(難易度 B)
羽生善治の終盤術の第一巻のタイトルは、「攻めをつなぐ本」である。
よって、答えは③である。
②の基本だけでここまで出来るは、第二巻のタイトル、⑤の堅さをくずす本は、第三巻のタイトルである。
⑥の上達するヒントも、羽生善治著の名著だが、将棋の感覚、大局観を書いた本で「羽生善治の終盤術」とは別物である。
おすすめの本なので、羽生善治の終盤術のリンクも貼っておく。良かったらぜひ。
羽生善治の終盤術は、有段者が高段者を目指す時に読まれることが多い本で羽生善治氏の実戦から出題されている比較的難易度の高い本じゃ。その中でも特に、第一巻は難しいことで有名じゃ。
勉強家の方は、正解できたかのぅ。
問3 詰将棋(難易度 A)
この問題は、標準的な5手詰の問題だ。
▲2一金△同龍▲2二角成△同玉▲2三銀まで。
よって、答えは▲2三銀(ア:② イ:③ ウ:⑦)である。
初手▲3一角成は、△1四金と香を取られて詰まない。
初手▲2一金が正解で△同玉は、▲3一角成までの早詰め。
△同龍は、▲2二角成の両王手以下詰みとなる。
間違えてしまった方におすすめの詰将棋本を下に貼っておく。
因みにこの問題は、紹介した本からの出題ではない。
有段者は、絶対に落とせない問題じゃな。
問4 必死問題(難易度 B)
この問題は、退路封鎖の必死問題で、寄せの手筋200の第93問の龍の位置を変えただけの問題である。
▲6二飛△同銀▲9三銀までの必死。
よって、答えは▲6二飛(エ:⑥ オ:② カ:⑥)である。
ただ、初手▲9三銀とすると、△8四歩で捕まらない。
まず、▲6二飛と打ち、△同銀に▲9三銀が絶妙のタイミング。
これで、必死となる。
以下、△同香は▲6二金△8二玉▲7一銀△9二玉▲8二金、△同桂は▲6二金△8一玉▲7二金打△9二玉▲8一銀、△5三銀は▲8二金、△7一銀は▲8二金△同銀▲6二金、△7四歩は▲6二金△7三玉▲7二金打でいずれも詰みとなる。
この問題が解けなかった人のために、下に寄せの手筋200のリンクを貼っておく。この本をやれば一気に終盤力が上がる。筆者のおすすめランキング1位の本でもある。
寄せの手筋200をやったことある人は、全員正解して欲しい問題じゃ。
問題の難易度は、初段~二段ぐらいかのぅ。
問5 実戦詰将棋(難易度 D)
この問題は、人間離れした39手詰めの鬼問題で、藤井聡太以外は徒労に終わったであろう。
制限時間を加味すると、解けた人類はいないと思われる。
100点を取らせないために作ったただの捨て問である。
受験にもこういう誰も解けない捨て問が混じっているから注意しよう。
一応、この実戦詰将棋の答えは、▲4二金△6一玉▲5一龍△7二玉▲7三香△同銀▲同桂成△同玉▲8五桂△同香▲8四銀△同玉▲7五金△同歩▲8一龍△7三玉▲8三角成△6四玉▲6五歩△同龍▲同馬△同玉▲6六飛△5五玉▲5六歩△4四玉▲6四飛△3五玉▲3六歩△2四玉▲3三角成△1四玉▲1三桂成△同玉▲1一龍△1二歩▲同龍△同玉▲2二馬まで。
よって、答えは▲2二馬(キ:② ク:② ケ:⑯)となる。
このレベルの人に解説は不要だろう。
これは、宇宙将棋連盟レベルの問題じゃ。
みんなは、何点じゃったかのぅ!?
解いてくれた方はコメントしてくれると嬉しいぞ。
今年は急いで作ったから浅い問題が多くなってしまったが、来年は今からじっくり練ったものを公表するぞい。
じゃあ、また2024年宇宙将棋連盟共通テストも挑戦してくれ。
コメント
第2問 問5 角換わり基本図からの△4五歩に対する次の一手について。難問というよりもそもそも問題自体が悪問だと思われるのでそう考える理由を以下に列挙していく。
⑴ そもそも次の一手問題の趣旨とは「明確な好手を発見/検討できるか」であり、どれを指しても1局という様々な有力選択肢の中から最善を指すことではないこと。次の一手問題でよくある形式は最善-次善で評価値に厳然たる差(評価値-500以上など)がある場合が多く、正解肢と不正解肢の異同が可能/容易である。しかし、最善-次善でほぼ差がない場合は正解肢と不正解肢の異同が困難である。今回のように最善-次善で評価値にほぼ差がない局面では、将棋ソフトの探索部や評価関数の更新がある限り、最善手を1つに特定することは実質不可能であり、正解を1つに絞ることができない。よってそもそもの問題設定に不備があると言え、大学入試、中でも万人が受験する共通テストを意識した問題としては悪問と言える。詳しくは⑵を参照されたい。
⑵答えを出す検討に用いている探索部が「やねうら王V6.5」と、かなり古いものであること。(2023/12月段階でやねうら王の最新ver.はV7.63であり、検討に用いているV6.5は2年前2021/9月にリリースされたもの。V6.5→V7.0→V7.5→V7.63と4世代前のものとかなり古いモデルで検討している。)※⑷にも後述する通り、2023/12月段階で最強と言える探索部-評価関数の組み合わせは、NUUE型ならば「やねうら王V7.63-Hao」or 「やねうら王V7.63-w@nder」、DL型ならば「dlshogi」である。前述の通り、最善-次善で評価値にほぼ差がない局面では、将棋ソフトの探索部や評価関数の更新がある限り、最善手を1つに特定することは実質不可能である。そしてかなり古いモデルで「答え」を出している所に真に最善を追求できていない印象を受け、問題の作り込みが甘いと考える。
⑶ノード数が非常に浅い場面で正解を出していること。(将棋ソフトは探索ノード数が多くなればなるほど強くなるのは知られている。※やねうら王開発者磯崎氏によれば、検討時間が2倍になればR200ほど強くなる。)検討画面では約3億3000万ノードと表示されているがこれでは検討が非常に浅い。最低でも2桁億ノード、50億ノード程度は読ませたいところだ。⑸で後述する通り、そもそも50億ノード付近まで読むにはパソコンのマシンスペックがある程度なければそこまで探索できない。※プロ6.55段表示も甘い。今まで確認できた中での最高表示はプロ12.00段程度。まだまだ探索できるはずだ。
⑷水匠5よりも強い評価関数の存在。(水匠開発者たややん氏によると2023/12月現在、NUUE型の中での比較でも今や水匠5よりHao、w@nder、blossom等の方が強いとのこと。また、繰り返しになるが最善-次善で評価値にほぼ差がない局面では使用するソフトによっても、探索部や評価関数がアップデートされる度に最善/次善は変わるのでそもそも正解など出すことができない。)
⑸パソコンのマシンスペックが脆弱であること。将棋ソフトの検討にはマシンスペックも非常に大きな要素になるが、中でもコア数/スレッド数が重要である。検討場面を見てみると4コアと記載があり、おそらくスレッド数はその2倍の8スレッドであるが、そのような廉価なノートパソコンレベルのスペックで正解を出しているのは解説としては腑に落ちない。ちなみに、私自身が所有しているパソコンも所詮家庭用でとてもしょぼいのだが、それでもAMD Ryzen7 5880Hは8コア16スレッドと解説使用の4コアの2倍ある。NPSも8000~10000knと高速である。「厳然たる答え」を出すなら、もっとマシなスペックのマシンで「答え」を出してくれ、というのが本音である…。
以上5点からそもそもの問題設定、それに関する解説、その導き方に不備があり、難問ではなく悪問であると個人的には考える。もしこれらに反論があればぜひお聞かせいただきたい。
第2問 問5について。
難問というよりそもそも問題自体が悪問だと思われるのでそう考える理由を以下に列挙していく。
⑴ そもそも次の一手問題の趣旨とは「明確な好手を発見/検討できるか」であり、どれを指しても1局という様々な有力選択肢の中から最善を指すことではないこと。次の一手問題でよくある形式は最善-次善で評価値に厳然たる差(評価値-500以上など)がある場合が多く、正解肢と不正解肢の異同が可能/容易である。しかし、最善-次善でほぼ差がない場合は正解肢と不正解肢の異同が困難である。今回のように最善-次善で評価値にほぼ差がない局面では、将棋ソフトの探索部や評価関数の更新がある限り、最善手を1つに特定することは実質不可能であり、正解を1つに絞ることができない。よってそもそもの問題設定に不備があると言え、大学入試、中でも万人が受験する共通テストを意識した問題としては悪問と言える。詳しくは⑵を参照されたい。
⑵答えを出す検討に用いている探索部が「やねうら王V6.5」と、かなり古いものであること。(2023/12月段階でやねうら王の最新ver.はV7.63であり、検討に用いているV6.5は2年前2021/9月にリリースされたもの。V6.5→V7.0→V7.5→V7.63と4世代前のものとかなり古いモデルで検討している。)※⑷にも後述する通り、2023/12月段階で最強と言える探索部-評価関数の組み合わせは、NUUE型ならば「やねうら王V7.63-Hao」or 「やねうら王V7.63-w@nder」、DL型ならば「dlshogi」である。前述の通り、最善-次善で評価値にほぼ差がない局面では、将棋ソフトの探索部や評価関数の更新がある限り、最善手を1つに特定することは実質不可能である。そしてかなり古いモデルで「答え」を出している所に真に最善を追求できていない印象を受け、問題の作り込みが甘いと考える。
⑶ノード数が非常に浅い場面で正解を出していること。(将棋ソフトは探索ノード数が多くなればなるほど強くなるのは知られている。※やねうら王開発者磯崎氏によれば、検討時間が2倍になればR200ほど強くなる。)検討画面では約3億3000万ノードと表示されているがこれでは検討が非常に浅い。最低でも2桁億ノード、50億ノード程度は読ませたいところだ。⑸で後述する通り、そもそも50億ノード付近まで読むにはパソコンのマシンスペックがある程度なければそこまで探索できない。※プロ6.55段表示も甘い。今まで確認できた中での最高表示はプロ12.00段程度。まだまだ探索できるはずだ。
⑷水匠5よりも強い評価関数の存在。(水匠開発者たややん氏によると2023/12月現在、NUUE型の中での比較でも今や水匠5よりHao、w@nder、blossom等の方が強いとのこと。また、繰り返しになるが最善-次善で評価値にほぼ差がない局面では使用するソフトによっても、探索部や評価関数がアップデートされる度に最善/次善は変わるのでそもそも正解など出すことができない。)
⑸パソコンのマシンスペックが脆弱であること。将棋ソフトの検討にはマシンスペックも非常に大きな要素になるが、中でもコア数/スレッド数が重要である。検討場面を見てみると4コアと記載があり、おそらくスレッド数はその2倍の8スレッドであるが、そのような廉価なノートパソコンレベルのスペックで正解を出しているのは解説としては腑に落ちない。ちなみに、私自身が所有しているパソコンも所詮家庭用でとてもしょぼいのだが、それでもAMD Ryzen7 5880Hは8コア16スレッドと解説使用の4コアの2倍ある。NPSも8000~10000knと高速である。「厳然たる答え」を出すなら、もっとマシなスペックのマシンで「答え」を出してくれ、というのが本音である…。
以上5点からそもそもの問題設定、それに関する解説、その導き方に不備があり、難問ではなく悪問であると個人的には考える。もしこれらに反論があればぜひお聞かせいただきたい。
わざわざソフトで調べていただきありがとうございます。
確かにこの問題は、悪問でしたね。。。
私自身もどの応手でも良いように感じていましたが、難問を作ろうと頑張り過ぎて空回りしてしまいました。
次回作成するときは、答えが明確になるように作成したいと思います。
ご指摘ありがとうございました。